中学校のコンピュータ教育における情報検索
慶應義塾大学文学部図書館・情報学科平成10年度卒業論文
杉本久美子
梗概
本稿の目的は、情報活用能力を育成するための一手段として効果的と考えられる情報検索が、中学校のコンピュータ教育において、どのように教育されているか、情報検索教育の現状と問題を明らかにすることである。T章では、コンピュータ教育の変遷を追うとともに、「情報活用能力」についてまとめた。U章では、教科書分析、ホームぺージ分析、電子メール調査、インタビュー調査の4調査により、情報検索教育の現状と問題を明らかにした。V章では、情報検索教育の問題点を踏まえ、情報検索用テキストを作成した。W章では、今後の情報検索教育の課題を提示した。教科書分析では、文部省検定済教科書を対象に、その内容を3つの項目から分析した。ホームページ分析では、調査項目を作成し、中学校のホームページに挙げられている内容から分析した。電子メール調査では、調査用紙を電子メールにて送付し、情報検索教育、及びコンピュータ教育の具体的内容を調査した。インタビュー調査では、慶應義塾内の3校の中学校を訪問し、各学校の環境、カリキュラム、教師、目標、内容、情報検索教育を調査、比較した。調査の結果、@現在の教科書は、情報検索に関する記述が極端に少ない、A中学校の情報検索教育は、インターネットと検索が中心であり、データベース検索を扱う中学校はあるが、図書検索に関してはほとんど取り上げられていない、B多くの中学校で指導されている、インターネット検索でさえ、その教育は不完全なものである、C情報検索を教える目標、及び目的が明確でないことが分かった。
序文
社会の様々な分野でコンピュータが利用されるようになった今、学校教育においてもコンピュータは導入され、それは学びの道具として有用な役割を果たすと考えられている。この背景には、情報化社会の急速な発展に伴い、この様な新しい技術革新に対処しかつ利用、また、必要な知識、技能を身に付けさせることが、学校教育において、求められるようになったことが挙げられる。文部省もコンピュータの授業を設けるなど、積極的なコンピュータ教育をすすめている。
しかし、コンピュータの急速な普及率から考えても分かるように、日本におけるコンピュータ教育はまだ始まったばかりであり、現状を見てみると、そこには多くの問題を抱えているように思う。そこで、コンピュータ教育の現状を探り、果たして適切なコンピュータ教育は行われているのか、もし行われていないとしたら、何が問題で、どのように行うべきなのか。これらを検討するため、卒業論文の執筆に至った。
この卒業論文の作成にあたり、インタビュー調査を快く引き受けてくださった、慶應義塾普通部教諭の荒川昭先生、慶應義塾中等部教諭の芳賀晋作先生、慶應義塾湘南藤沢中高等部教諭の田邊則彦先生、そして的確なアドバイスによりご指導下さった慶應義塾大学図書館・情報学科の上田修一教授に心から感謝し、ここに謝意を表します。
目次
A 情報化社会と学校教育の対応
B コンピュータ教育の変遷
A 「情報基礎」の概要
B 教科書分析
C ホームページ分析
D 電子メール調査
E インタビュー調査
F 考察
G 情報検索教育の問題点
A テキスト作成の目的
B テキストの内容
C テキストの作成
A テキストの必要性
B 教育目標の明確化
C コンピュータ教育専任の育成
D 環境の整備
注・引用文献
1) 国立教育研究所編.続・コンピュータ教育の国際比較.東京,日本教育新聞社,1995,p.1-3
A 情報化社会と学校教育の対応
十数年前まで、コンピュータは高価なため、特別な場所で、また十分訓練を受けた専門家による利用に限られていた。今日では、コンピュータは、特別な訓練も、ほとんど必要なく利用することが可能となり、社会の様々な分野で利用されるまでに普及している。この背景には、エレクトロニクスの進歩による、コンピュータ技術の飛躍的な高度化や、ネットワーク化の普及に見られるような、通信技術の進展、いわゆる高度情報化社会への急速な進化が挙げられるが、学校教育では、このような新しい技術革新に対処かつ利用し、また、必要な知識・技能を、生徒に身につけさせる必要に迫られてきた。
中でも特に、これからの社会においては、様々な情報や情報手段に翻弄されることなく、情報化の進展に、主体的に対応することが重要であると考えられ、そのためには、情報及び情報手段を積極的に活用していく能力、多くの情報を整理、選択、処理、統合していく能力、すなわち「情報活用能力」の育成が、今日の学校教育に求められている。
そして、この「情報活用能力」の育成を推進する上で、コンピュータの活用が効果的であると、今日の学校教育において、「情報活用能力」育成のための道具として、コンピュータが利用されている。1)
B コンピュータ教育の変遷
1 中央教育審議会
情報化社会に対応する学校教育、そこで身につけたい資質、能力については、1983年11月に提出された、中央教育審議会教育内容等小委員会の審議経過報告において、「自己教育力」の育成という視点から取り上げられた。
そこでは、社会の情報化が進展する今日、自己教育力の育成が、これからの学校教育で重視されなければならないとされ、@主体的に学ぶ強い意志、意欲A問題の解決に積極的に挑む知的探究心B主体的に目標を設定し、必要な情報を選択、活用していく能力C何をどのように学ぶかといった学習の仕方の習得、が具体的事項として挙げられている。
これらは、情報過多の状況下で、情報に振り回されたり、自己を見失ってしまうことを回避するためにも、主体的にものを考え、批判できる能力や態度を育てることが重要であること、そのためには、主体的に学ぶ意欲を持つこと、体験的な学習や問題解決的な学習方法を重視する必要があること、思考力、判断力、創造力を知育の基本に置かなければならないことが、強調された。
この自己教育力の考えは、1989年の学習指導要領改訂の基本的理念として位置づいている。2)
2 社会教育審議会答申
1985年3月、社会教育審議会教育放送分科会は、「教育におけるマイクロコンピュータの利用について」を発表した。報告書では、学校教育、社会教育とマイクロコンピュータの関わりについて総合的に解説され、いわば
コンピュータと教育についてのガイドラインとなっている。
具体的には、社会のコンピュータの浸透に伴う、教育内容、教育方法への影響と新たな可能性、教育へのコンピュータの利用は現在の教育課題につながる、学校教育、社会教育それぞれの場におけるコンピュータ利用の形態、条件整備の必要性、マイクロコンピュータを利用するにあったり、教育関係者の研修の標準案が提起されている。3)
3 臨時教育審議会
以上のように、我が国における学校教育のコンピュータ教育に対する論議は、1980年代前半(昭和50年代後半)から始まるが、「情報活用能力」という言葉が最初に用いられたのは、臨時教育審議会第二次答申の中である。臨時教育審議会(臨教審)は1984年に設置され、1985年6月に第一次答申、1986年4月に第二次答申、1987年4月に第三次答申、1987年8月の最終答申にてまとめている。
a 第一次答申
第一次答申では、現状の社会を、「情報化、国際化、成熟化の社会」と認識し、それぞれ情報教育、国際理解教育、生涯教育が必要であるとされる。情報化社会に適応した教育の在り方が、今後の指針の柱の1つとされた。
b 第二次答申
第二次答申にて初めて用いられた「情報活用能力」とは、情報および情報手段を主体的に選択して活用していくための基礎的な資質であり、情報リテラシーとも言い換えられる。
第二次答申では、この「情報活用能力」をどの程度身につけるかによって、個人が情報手段を主体的に活用できるか、情報化の弊害の中に埋没してしまうかがかなり左右されるため、今後、情報及び情報手段の主体的な選択、活用を実現していくことが重要であるとしている。その際、これまでの「読み・書き・算盤」のもつ教育としての基礎的・基本的な部分をおろそかにすることなく、新たに「読み・書き・情報活用能力」を基礎・基本として重視し、学校をはじめとする様々な教育機関で、学習者の発達段階に合わせ、情報活用能力の育成に本格的に取り組んでいくことが重要である、と述べている。3)
情報化に対応した教育に関する原則の一つとして、「情報活用能力の育成」を掲げ、また「情報活用能力」を基礎・基本として位置づけた。
c 最終答申
臨教審は、さらに第三次答申、最終答申をまとめ、情報教育の基本姿勢を明確にした。それは以下の4点にまとめることができる。4)
(1)情報活用能力の育成の推進
(2)教育機関の活性化のための、情報手段の活用の促進
(3)情報モラルの確立
(4)情報化の光と影への対応
4 情報化社会に対応する初等中等教育の在り方に関する調査研究協力者会議
文部省は、学校教育におけるコンピュータなどの利用の在り方について、1985年2月に情報化社会に対応する初等中等教育の在り方に関する調査研究協力者会議(情報化協力者会議)を設置する。
情報化協力者会議では、1985年(昭和60年)8月に中間報告を発表し、情報化の進展と学校教育の在り方、学校教育におけるコンピュータ利用等に関する基本的な考え方、小・中・高等学校の各学校段階におけるコンピュータ等の在り方について、提言を示している。
学校教育におけるコンピュータ利用等に関する中学校での基本的な考え方としては、「小学校以上にコンピュータ等のもつ特性(シミュレーションや情報検索などの機能)を学習し、同時に活用するとともに、それらを通してコンピュータ等に関する理解や能力を得させることが望ましい」としている。5)
5 教育課程審議会
以上のような、各審議会で検討された内容を、具体的に教育カリキュラムに活かすため、教育課程審議会(教課審)が、教育課程の基準改善の検討を進めた。教課審は、1986年10月、中間まとめとして「教育課程の基準の改善に関する基本方針について」を、1987年12月に最終答申を提出する。
a 中間まとめ
この中間まとめによると、「情報活用能力」は、以下の4点より構成される。
(1)情報の判断、選択、整理、処理能力および新たな情報の創造、伝達能力
(2)情報化社会の特質、情報化の社会や人間に対する影響の理解
(3)情報の重要性の認識、情報に対する責任感
(4)情報科学の基礎および情報手段(特にコンピュータ)の特徴の理解、基本的な操作能力の習得
「情報活用能力」の育成の具体的手段とし、中学校の「技術・家庭」科の領域に「情報基礎」という一領域を設定することなどが示唆された。
b 最終答申
最終答申では、改善の基本的なねらいが示された。社会の情報化に主体的に対応できる基礎的な資質を養うという観点から、情報の理解、選択、処理、創造等に必要な能力およびコンピュータ等の情報手段を活用する能力と態度の育成を図ることが社会の要求として起こり、そのために教科・科目等の内容の改善をするべきであるとした。その一つが、中間まとめでも示唆された、中学校の技術・家庭科に新たな選択科目として設けた「情報基礎」であり、コンピュータの操作を通して、コンピュータの機能と役割について理解し、情報機器を適切に活用する基礎的・基本的な能力の育成を図ることとしている。
そして、この最終答申が、1989年の学習指導要領の改訂につながる。
6 学習指導要領の改訂
教課審の最終答申に基づき、1989年3月、具体的な学習指導要領が改訂され、小学校では1992年より、中学校では1993年より実施されている。1989年改訂の学習指導要領では、「情報活用能力」の育成はあらゆる教科で実現されることが期待されている。この改訂はまさに情報化対応の改訂ということができる。6)
7 第15期中央教育審議会
学習指導要領改訂後も、文部省の各審議会で、社会の変化に対応する教育の在り方について検討される。1995年4月、中央教育審議会は、「21世紀を展望した我が国の教育の在り方について」諮問を受け、1996年7月に第一次答申、1997年6月に第二次答申を提出する。主な検討事項の一つとして、「国際化、情報化、科学技術の発展等の社会の変化に対応する教育の在り方」が挙げられた。
第一次答申によると、これからの社会は、変化の激しい、先行き不透明な、激しい時代であり、この様な社会において、子供たちに必要となるのは、「いかに社会が変化しようと、自分で課題を見つけ、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、行動し、よりよく問題を解決する資質や能力である」と、述べている。その上で、社会の変化に対応する教育を適切に行なうには、発達段階を考慮すること、教育内容を厳選し、「ゆとり」のある教育課程を編成すること、各教科で相互に連携・協力を図ること、が指摘されている。
情報化に対応する教育の在り方については、既に取り組まれているが、今後は、小・中・高等学校の各段階における系統的・体系的な情報教育を充実させる必要があるとしている。中学校では、以下の様な充実を図る方針である。
(1)情報を適切に活用する基礎的な能力を養うようにするとともに、生徒の興味や関心などに応じて、さらに発展させた内容を学習する
(2)情報通信ネットワークを活用した学習
(3)課題の発見、情報の収集、調査結果の発表など、学習内容を豊かにする道具として、コンピュータの活用を図る7)
8 情報化の進展に対応した初等中等教育における情報教育の推進等に関する調査研究協力者会議
情報化の進展に対応した初等中等教育における情報教育の推進等に関する調査研究協力者会議は、1996年10月に発足し、初等中等教育における系統的、体系的な情報教育の在り方についての検討を目的に、次期学習指導要領改訂に値する、「情報活用能力」育成を目的とした教育内容に焦点化し、1997年10月に第一次報告を、1998年8月に最終報告を発表している。
第一次報告では、今後の初等中等教育における情報教育で育成すべき「情報活用能力」を以下のように焦点化し、系統的、体系的な情報教育の目標として位置づけた。
情報教育の目標
(1)課題や目的に応じて情報手段を適切に活用することを含めて、必要な情報を主体的に収集・判断・表現・処理・創造し、受け手の状況などを踏まえて発信・伝達できる能力(「情報活用の実践力」)
(2)情報活用の基礎となる情報手段の特性の理解と、情報を適切に扱ったり、自らの情報活用を評価・改善するための基礎的な理論や方法の理解 (「情報の科学的な理解」)
(3)社会生活の中で情報や情報技術が果たしている役割や及ぼしている影響を理解し、情報モラルの必要性や情報に対する責任について考え、望ましい情報社会の創造に参画しようとする態度(「情報社会に参画する態度)
また、系統的指導を行なうことを前提とした学習指導要領の改訂が検討されるよう、カリキュラムの編成、「情報活用能力」の扱いと範囲、教科の枠組みを述べている。8)
第一次報告発表後、情報化に対応した教育実現に必要な教育環境などの条件整備に関して検討を継続し、最終報告としてとりまとめた。9)
9 学習指導要領改訂
1998年12月14日、「ゆとり」の中で「特色ある教育」を展開し、生徒に自ら学び、自ら考える「生きる力」を育成することを、基本的なねらいとし、学習指導要領が改訂された。重視することの一つとして、自ら学び、自ら考える力を育成することが挙げられ、その中で、コンピュータ等の情報手段の活用を一層推進し、中学校技術・家庭科で情報に関する内容を必修化することが義務づけられた。小・中学校では、2000年(平成12年)度からの移行措置を経て、2002年(平成14年)度から全面実施することとされている。10)
以上、コンピュータ教育の変遷を追うとともに、文部省のコンピュータ教育に関する政策、及び文部省の言う、「情報活用能力」について明らかにしたが、「情報活用能力」を育成するための、一手段として、情報検索が有効であると考える。「情報活用能力」の一つである情報活用の実践力は、必要な情報を主体的に収集・判断・表現・処理・創造し、受け手の状況などを踏まえて発信・伝達できる能力であるが、情報を主体的に収集するためには、情報検索が必要であり、また、その情報が必要か不必要かを判断する能力も、情報検索の範囲内である。情報の収集・判断という「情報活用能力」の第一段階では、情報検索教育を行なうことが効果的である。
そこで、本論文では、中学校で行なわれているコンピュータ教育の情報検索教育に焦点を当て、第U章では、その現状と問題点を明らかにする。
U 情報検索教育の現状と問題
情報化社会に対応するために育成すべき能力という観点から、これからの学校教育においては、「情報活用能力」の育成が重要である、との考えが示されていることは、第T章で明らかにしたとおりである。現在、中学校では、技術・家庭の技術領域に「情報基礎」という新たな科目を設け、「情報活用能力」を育成するための、コンピュータ教育を行なっている。
しかし、この「情報基礎」では、情報活用能力を養うために、どんなことをしているかといった実態は、事例も少ない上に、文献では不透明な部分が多い。そこで、中学校におけるコンピュータ教育の授業内容と現状とを多角的に調べるために、4種類の調査を行った。その4種類とは、@教科書分析Aホームページ分析B電子メール調査Cインタビュー調査である。
コンピュータ教育の中でも特に、情報活用能力の育成に有効であると考えられる情報検索教育に焦点化、その現状と問題点を明らかにする。
A 「情報基礎」の概要
中学校では、小学校での学習の上に立って、より一層コンピュータのもつ特性を学習指導に活用するとともに、それらを通じてコンピュータに関する理解や能力を得させることをねらいとしている。中学校にはコンピュータに関する教育が、技術・家庭の「情報基礎」(選択)に年間20から30時間程度位置づけられている。
現在、中学校の技術・家庭の領域に設けられている「情報基礎」は、1989年(平成元年)に改訂された学習指導要領のもとに、1993年(平成4年)より行われている。
目標
コンピュータの操作等を通して、その役割と機能にて理解せ、情報を適切に活用すつ基礎的な能力を養う。
内容
(1)コンピュータの仕組みについて、次の事項を指導する。
ア. コンピュータシステムの基本的な構成と各部の機能を知ること。
イ.ソフトウェアの機能を知ること。(2)コンピュータの基本操作と簡単なプログラ ムの作成について、次の事項を指導する。
ア. コンピュータの基本操作ができること。
イ. プログラムの機能を知り、簡単なプログラムの作成がきること。(3)コンピュータの利用について、次の事項を指導する。
ア.ソフトウェアを用いて、情報を活用することができること。
イ. コンピュータの利用分野を知ること。(4)日常生活や産業の中で情報やコンピュータが果たしている役割と影響について考えさせる。
内容の取り扱い
(1)内容の(1)のアについては、入力、演算、制御、記憶及び出力を取り上げるものとする。
(2)内容の(3)のアについては、日本語ワードプロセッサ、データベース表計算、図形処理などのソフトウェアを取り上げ、情報の選択、整理、処理、表現などを行わせるものとする。11)
B 「情報基礎」の教科書分析
1 目的
「情報基礎」の具体的内容を、現在使用されている教科書から明らかにする。
2 方法
現在発行されている、中学技術・家庭の文部省検定済教科書は、開隆堂の『技術・家庭』と東京書籍の『新しい技術・家庭』の2種類である。この2種類の教科書を対象とし、以下の項目を調査する。
a 「情報基礎」のページ数
技術・家庭の教科書全体のうち、「情報基礎」の内容に相当するページ数を調査する。
b 項目別にみる教科書の内容
『中学校の学習指導要領』11)の「情報基礎」の内容を参考に、以下の項目を設定し、教科書の内容を分析する。
・コンピュータの仕組み
・コンピュータの基礎
・コンピュータの役割
・コンピュータの活用
・コンピュータと情報社会
・ワープロソフト
・図形処理ソフト
・表計算ソフト
・プログラミング
・インターネット
・データベース
・図書検索
・論理演算
・その他
c 情報活用能力からみる教科書の内容
情報活用能力の定義を参考に、以下の項目を設定し、教科書の内容を分析する。
・情報の判断、選択
・情報の整理、処理
・情報の創造、伝達
・その他
なお、「情報の判断、選択」「情報の整理、処理」「情報の創造、伝達」は、いずれも実践力でなければならないため、教科書の中でも、実習や課題などの体験的内容を対象とし、それ以外は「その他」に振り分けるものとする。
3 結果
a 「情報基礎」のページ数
第1図に示すとおり、開隆堂の『技術・家庭』では、全221ページのうち「情報基礎」の内容に相当するのは35ページ、つまり、全体の15.8%である。一方、東京書籍の『新しい技術・家庭』では、全233ページのうち「情報基礎」の内容に相当するのは42ページ、つまり、全体の18.0%であった。いずれも場合も、「情報基礎」に相当するページは、教科書全体の1/5以下である。
b 教科書の内容
第1表に示すとおり、教科書の中でもっともページ数をさかれていた内容は、開隆堂の『技術・家庭』では、「コンピュータの活用」と「プログラミング」が6ページでもっとも多く、
東京書籍の『新しい技術・家庭』では、「コンピュータの活用」が6ページでもっとも多く、次いで「プログラミング」が5ページであった。両者とも、「情報基礎」の教科書の中で、もっともページをさいている内容は、「コンピュータの活用」と「プログラミング」に共通していると言える。
両者を比較し、明らかに違う点は、第一に、開隆堂の『技術・家庭』は設定した項目の内容を、1ページであっても網羅しているのに対し、東京書籍の『新しい技術・家庭』は、「インターネット」「図書検索」「論理演算」の項目には1ページもさかれていない。第二に、ソフトウェアの解説(「ワープロソフト」「図形処理ソフト」など)において、開隆堂の『技術・家庭』は、全項目説明しているものの、プログラミングとそれ以外のソフトのページ数の差が激しいのに対し、東京書籍の『新しい技術・家庭』は、全項目説明してはいないものの、項目ごとのページ数の差はあまり見られない。
これらは両者の違いであると同時に、それぞれの教科書の特徴とも言える。
c 情報活用能力からみる教科書の内容
第2表に示すとおり、「情報の判断、選択」「情報の整理、処理」「情報の創造、伝達」は、開隆堂の『技術・家庭』では、4ページ、9ページ、0ページ、東京書籍の『新しい技術・家庭』では、3ページ、16ページ、0ページと、両者とも「情報の創造、伝達」の項目は0ページである。また、両者もっともページ数をさいている項目は、「情報の整理、処理」である。
情報活用能力の項目の合計ページ数は、開隆堂の『技術・家庭』では、13ページで全体の37.1%、東京書籍の『新しい技術・家庭』では19ページで全体の45.2%であった。
第1図 教科書全体の「情報基礎」のページ数
第1表 項目別に見る教科書の内容 (単位:ページ)
教科書名 |
|||
開隆堂 |
東京書籍 |
||
項目 |
コンピュータの仕組み |
3 |
3 |
コンピュータの基礎 |
3 |
4 |
|
コンピュータの役割 |
4 |
4 |
|
コンピュータの活用 |
6 |
6 |
|
コンピュータと情報社会 |
3 |
4 |
|
ワープロソフト |
1 |
4 |
|
図形処理ソフト |
1 |
4 |
|
表計算ソフト |
1 |
3 |
|
プログラミング |
6 |
5 |
|
インターネット |
1 |
なし |
|
データベース |
1 |
3 |
|
図書検索 |
2 |
なし |
|
論理演算 |
1 |
なし |
|
その他 |
2 |
2 |
|
合計ページ数 |
35 |
42 |
|
第2表 情報活用能力からみる教科書の内容
教科書名 |
|||
開隆堂 『技術・家庭』 |
東京書籍 |
||
項目 |
情報の判断・選択 |
4ページ |
3ページ |
情報の整理・処理 |
9ページ |
16ページ(38.0%) |
|
情報の創造・伝達 |
0ページ |
0ページ |
|
その他 |
22ページ |
23ページ |
|
合計 |
35ページ |
42ページ |
|
C ホームページ分析
1 目的
「情報基礎」の具体的内容と現状を、学校が作成しているホームページに挙げられている内容から、明らかにする。
2 方法
この調査に先駆けて、予備調査を実施し、調査項目を作成した。予備調査を行った際、現在の学校ホームページでは、「コンピュータの役割」や「コンピュータをどう活用するか」といった、概念的な内容に関して公開している学校は少なかったため、今回作成した調査項目は、ソフトウェアをどう教えるかといった、演習形式の内容が中心となっている。
100校プロジェクト参加中学校38校を含む、全国の中学校のホームページ100校にアクセスし、そのうち調査項目を1つでも満たした中学校、50校を対象とした。
3 結果
第3表に示すとおり、もっとも多くの中学校で行なわれているのはHTMLの作成で、30校、60.0%であった。次に多かったのは、図形処理ソフトで、20校、40.0%であった。この2項目が目立って行なわれており、以下、20.0%代がコンピュータ操作の基礎、コンピュータと情報社会、チャット、図書室及び図書委員の紹介であった。図形処理以外のソフトは、いずれも10.0%代である。
情報検索教育に関する項目では、「インターネット」が16.0%、「データベース」が14.0%、「図書検索」については、図書室のページで検索システムを紹介する中学校もあったが、特に授業で取り上げている記述がなかったため、0%という結果である。
現在の学校ホームページは、学校や地域紹介、クラブ、生徒会活動の紹介が中心で、授業内容の詳細を入手することは難しい。また、授業内容の公開が、特に義務づけられいるわけではないため、ホームページの情報が全てであるとは限らない。これらホームページ分析の欠点を補いつつ、より正確な情報を得るために、「情報基礎」の具体的内容を電子メール調査により明らかにする。特に、今までの分析からでは不透明な部分が多い、「情報検索教育」に焦点を当てて調査する。
分析項目 |
掲載校数(50校中) |
(%) |
コンピュータ操作の基礎 |
12 |
24.0 |
コンピュータと情報社会 |
11 |
22.0 |
ワープロソフト |
9 |
18.0 |
図形処理ソフト |
20 |
40.0 |
表計算ソフト |
8 |
16.0 |
プログラム言語 |
6 |
12.0 |
インターネット |
8 |
16.0 |
データベース |
7 |
14.0 |
図書検索 |
0 |
0 |
検索手法 |
1 |
2.0 |
HTMLの作成 |
30 |
60.0 |
チャット |
11 |
22.0 |
メール |
9 |
18.0 |
図書室・図書委員の |
11 |
22.0 |
D 電子メール調査
1 目的
「情報基礎」の具体的内容と現状を明らかにする。特に、上記の2つの調査で不足していた、情報検索教育を掘り下げて調べる。
2 方法
ホームページ分析を踏まえ、調査用紙を作成した。調査内項目は、第4表に示す。
a
「情報基礎」全般に関する質問では、「情報基礎」を始めた時期や、その目的、担当教員の人数などについて明らかにするもので、全10項目から構成される。
b
授業内容に関する質問では、「情報基礎」で具体的に何を教え、特に情報検索教育について明らかにするもので、全2項目から構成される。
c
情報検索教育に関する質問では、情報検索に関係するインターネット、データベース、図書検索の3項目に的を絞り、それぞれの目的、内容、教育効果などについて明らかにするもので、全24項目から構成される。
d
教科書に関する質問では、授業内での教科書の扱い、教科書で不足している点などを明らかにするもので、全6項目から構成される。
学校ホームページを検索し、「情報基礎」を確実に行っている学校、もしくは「情報基礎」担当者宛てに、上記の調査用紙を電子メールで送付する
第4表 電子メール調査の概要
区分 |
明らかにする点 |
a.「情報基礎」 |
|
b.「情報基礎」 |
|
c.情報検索教育 |
|
d.教科書 |
|
3 結果
電子メールを送付した59校中、18校の回答が得られた。
a「情報基礎」全般について
第2図に示すとおり、技術家庭の領域で「情報基礎」を始めた時期は、平成3年が7校、38.8%と、もっとも多く、次に平成4年、5年、6年がともに3校、16.6%であった。コンピュータ教育は、平成3年から6年の間に開始されたケースが多いことが分かる。
第3図に示すとおり、「情報基礎」を始めた理由は、情報教育の必要性からが、7票、31.8%でもっとも多く、次いで、学習指導要領の改訂のため、5票、22.7%であった。この他にも、コンピュータ教室が整備され、授業が可能になったため、4票、22.2%など、コンピュータ教育の必要性は認識していたが授業ができなかった、という現状も感じられた。なお、この項目は複数回答が多かったため、票として集計した。
第4図に示すとおり、「情報基礎」を始める学年は、中学1年が8校、44.4%、中学3年が7校、38.8%、中学2年が3校、16.6%の順であった。中学1年から開始する理由として、もっとも多かったのは、スキルを定着させるには低学年の方が有効が、5校、62.5%であった。また、他教科及び教科外での活用を円滑にするためが、4校、50.0%と、積極的な姿勢が伺える。一方、中学3年から始める理由としては、学校指導要領の規定に準じているが、4校、57.1%ともっとも多く、次いで、プログラミングを教える際、能力が高い方が都合が良い等の発達段階に応じてが、3校、42.8%であった。
第5図に示すとおり、「情報基礎」の目的は、情報活用能力育成のためが、10票、43.4%、コンピュータリテラシー習得のためが5票、21.7%、で圧倒的に多かった。この2つは、同じ概念に包括されるが、コンピュータリテラシー習得には、コンピュータを使いこなせるようになるという意味合いが強く感じられたため、あえて分けて集計した。その他少数派の意見は、コンピュータの基本操作を学ぶためが、3票、13.0%、プログラムの基礎を知るが、2票、8.6%、であった。
「情報基礎」の担当教員については、1人が10校、55.5%、2人が5校、27.7%、3人以上が3校、16.6%と、1人で担当して学校が標準である。そのため、1授業に付く教員数も、1人が12校、66.6%、2人が6校、33.3%と、1人で教えるケースが多い。なお、1授業に付く教員数には、講師の場合も含まれている。
コンピュータの設置台数は、1人につき1台が7校、38.8%、2人につき1台が10校、55.5%、3人につき1台が1校、5.5%と、コンピュータの整備はかなり進んでいる。しかし、2人以上につき1台だと、生徒全員に同じ課題を課した際、コンピュータの奪い合いになる等の問題が指摘されている。理想は1人1台である。

第2図 「情報基礎」開始の時期 第3図 「情報基礎」開始の理由

第4図 「情報基礎」を開始する学年 第5図 「情報基礎」の目的
b 「情報基礎」の授業内容について
第5表に示すとおり、ワープロソフトは全ての回答校で行なわれていた。次に多かった項目は、コンピュータの仕組み、インターネットが17校、94.4%、図形処理ソフトが16校、88.8%、表計算ソフト、プログラム言語、ホームページの作成が14校、77.7%であった。インターネットは94.4%と比較的高い数値を示していたが、データベースは10校、55.5%、図書検索となると2校、11.1%と、扱っている中学校は少ないことが読み取れる。
また、力を入れている項目として調査したところ、ワープロソフト、インターネットが8校、44.4%でもっとも多かった。その他として、ソフトウェアの利用よりも情報活用の具体的な場面の設定に力を入れている、との回答もあった。
第5表 「情報基礎」で扱う内容、及び力を入れている内容
|
授業で扱う内容(校数)(%) |
力を入れている内容 |
|
共通項目 |
コンピュータの仕組み |
17 (94.4%) |
3(16.6%) |
コンピュータの歴史 |
7 (38.8%) |
0 |
|
ワープロソフト |
18 (100%) |
8(44.4%) |
|
図形処理ソフト |
16 (88.8%) |
5(27.7%) |
|
表計算ソフト |
14 (77.7%) |
3(16.6%) |
|
プログラム言語 |
14 (77.7%) |
5(27.7%) |
|
ホームページの作成 |
14 (77.7%) |
5(27.7%) |
|
インターネット |
17 (94.4%) |
8(44.4%) |
|
データベース |
10 (55.5%) |
3(16.6%) |
|
図書検索 |
2 (11.1%) |
0 |
|
検索手法 |
8 (44.4%) |
2(11.1%) |
|
その他 |
情報モラル |
2 (11.1%) |
− |
電子メール |
2 (11.1%) |
− |
|
パワーポイント |
1(5.5%) |
1(5.5%) |
|
基本操作 |
− |
1(5.5%) |
|
c 情報検索教育について
第6図に示すとおり、インターネットを教える目的でもっとも多かったのは、情報の収集、選択、発信のツールの1つとしてが、9票、45.0%、次いで、情報化に対応するためが、6票、30.3%であった。少数派意見としては、利用できるようにするため、インターネットに出会える場所を提供する、情報に対する考え方を学習するためなどがあった。
第6表に示すとおり、インターネット検索で教える内容は、キーワード検索が、13校、76.4%ともっとも多く、次いで検索手順が12校、70.5%、ディレクトリ検索が、11校、64.7%、AND検索が、6校、35.2%、OR検索と検索結果の評価が、3校、17.6%であった。検索手法はAND検索が主流と見られる。少数派の回答は、ネット上の情報の信頼性の低さがあった。
達成度の評価は、各学校それぞれであったが、もっとも多かった回答は、調べた結果を提出するが、6校、35.2%であった。その他、検索についての評価は行なわない、自己評価なども挙げられた。
教育効果についても、各学校様々な意見が挙げられた。大きくまとめると、必要な情報をまずインターネットで調べるせいとが増えた、といった自主的な学習の姿勢を表した意見が、5校、29.4%、情報を的確に収集する能力がついた、といった生徒の能力に関する意見が、3校、17.6%、その他、生徒が興味を持ったが、2校、11.7%、今後の生活で活用できるように期待が、1校、5.8%などであった。
第7図に示すとおり、データベースを教える目的は、情報を取捨選択するためが、4校、40.0%がもっとも多く、次いで情報の検索方法を学ぶが、2校、20.0%であった。その他少数意見は、情報の価値を作り出すことを教える、情報の共有化20.0%であった。
第6表に示すとおり、データベースで教える内容は、検索手順とキーワード検索が、8校、80.0%ともっとも多く、次いでAND検索が、6校、60.0%、データベースの種類とOR検索が、4校、40.0%であった。検索結果の評価は、2校、20.0%と低い。
達成度の評価については、インターネット同様、各学校様々である。作成したデータベースを評価対象、必要な情報が検索できたかが、2校、20.0%、自己評価、特になしも3校、30.0%であった。
第6表に示すとおり、図書検索で教える内容は、検索手順、署名検索、著者名検索、キーワード検索、AND検索が、1校、50.0%であった。図書検索は、18校中2校しか図書検索を行なっておらず、調査結果の数値だけでは判断できない。

第6図 インターネット教育の目的 第7図 データベースを教える目的(単位:%)
第6表 「情報基礎」における情報検索教育の内容
情報検索 |
||||
課整発勅br> 検索 |
データベース 検索 |
図書検索 |
||
項目 |
検索手順 |
12(70.5%) |
8(80.0%) |
1(50.0%) |
サーチエンジン・データベースの種類 |
7(41.1%) |
4(40.0%) |
− |
|
ディレクトリ検索 |
11(64.7%) |
− |
− |
|
キーワード検索 |
13(76.4%) |
8(80.0%) |
1(50.0%) |
|
書名検索 |
− |
− |
1(50.0%) |
|
著者名検索 |
− |
− |
1(50.0%) |
|
AND検索 |
6(35.2%) |
6(60.0%) |
1(50.0%) |
|
OR検索 |
3(17.6%) |
4(40.0%) |
0 |
|
NOT検索 |
2(11.7%) |
3(30.0%) |
0 |
|
前方一致 |
1(5.8%) |
2(20.0%) |
0 |
|
検索結果の評価 |
3(17.6%) |
2(20.0%) |
0 |
|
データベースの作成 |
− |
3(30.0%) |
− |
|
その他 |
ネット上の情報の信頼性の低さ |
1(5.8%) |
− |
− |
情報モラル |
2(11.7%) |
− |
− |
|
発鳥位ロ |
1(5.8%) |
− |
− |
|
データベースの |
− |
1(10.0%) |
− |
|
d 教科書について
授業の際に教科書を使用しているかどうかについては、10校、55.5%が教科書と並行して別の教材を使用しており、6校、33.3%は教科書は使用せずに、教科書以外の教材を使用しているであった。教科書のみを使用している学校は1校もなく、逆に、何も使用しない学校は、2校、11.1%であった。
教科書以外の教材とは、図書が4校、25.0%、自作プリントが13校、81.2%、自作ソフトが1校、18.7%であった。
教科書を使用しない理由については、教科書の内容は古い、やりたいことが具体的に書かれていない、指導の目標に合致しないためが、4票、20.0%であった。次いで、実習には役立たないが、3票、15.0%、地域やコンピュータの特性が考慮されて書かれていないが、2票、10.0%などであった。様々な意見が指摘されたため、飛びぬけて高い数値は表れなかった。
現在の教科書については、4校、22.2%が良い、13校、72.2%が悪い、2校、11.1%がどちらとも言えない、という結果であった。
現在の教科書の不足している点を尋ねたところ、紙のメディアだけに最新の技術や情報の流れについてゆけない、が55.5%と圧倒的だったが、その他様々な意見が挙げられた。
E インタビュー調査
1 目的
「情報基礎」の具体的内容と現状を明らかにするため、上記の3種の調査を行ったが、これまでの調査結果は、すべてデータからのものである。データ結果からだけでは、本当のものが見えない、現場の感覚とはかけ離れたものになる、などの恐れがあるため、これらを回避するべく、インタビュー調査を実施し、「情報基礎」の具体的内容及び情報検索教育について明らかにする。
2 方法
電子メール調査で使用した調査用紙を参考に、調査対象校の環境、カリキュラム、教師、目標、内容、情報検索教育、問題点をインタビューにより明らかにする。
調査対象校は、慶應義塾普通部、慶應義塾中等部、慶應義塾湘南藤沢中等部とする。この理由は、3校それぞれ環境の異なる中学校(普通部は男子校、中等部は共学、湘南藤沢は中高一貫教育の共学)であること、担当者が見つかりにくい他の学校に比べ、担当者が明確で協力をえられやすい、などの条件が整うためである。3校すべて、インタビューに応じてもらうことができた。
3 結果
a 慶應義塾普通部
普通部は、1クラス48人、1学年5クラスの男子校ある。生徒が使用できるコンピュータは48台、つまり1人1台の割合でコンピュータは設置され、かつ48台すべてがインターネットに接続されているという環境である。
コンピュータの授業は、中学1、2、3年とも、週1時間と設定されているが、社会科地理や数学の授業の中でも授業の補助教材としてコンピュータを使用している。中学1年生からコンピュータの授業を始める理由は、コンピュータに早い段階から慣れさせておくため、教えるために時間を作れるか、といったカリキュラム上の問題も関わっている。また、コンピュータ教育を始めた理由は、コンピュータの発展に伴い、理系の人間だけに関わりがあったコンピュータが文系にも移行し、全員に関係してきたため教育する必要に迫られたためである。
コンピュータ指導が可能な教師は、8人いる。しかし、8人とも他教科が専門であり、コンピュータ教育専門の先生はいない。主に、数学とコンピュータに関心がある先生によってコンピュータの授業は行われているが、専門教科との兼ね合いで、余裕のある先生がコンピュータの授業も兼任するという形式である。先生同士の時間が合えば、ティーム・ティーチングでの授業が実施される。本年度は3人で1クラスを担当している。
コンピュータの授業内容は、年度によって異なる。前年度の不足を補い改善しているからであるが、上記に述べた通り、コンピュータ教育の専任がいないため、年度ごとにコンピュータ担当者が代わり、指導内容も変化するという現状がある。すなわち、ホームページを作成する年もあればやらない年もある。本年度は、1年から3年の授業内で、以下のことを行っている。コンピュータの仕組み、ワープロソフト、表計算ソフト、プログラム言語、ホームページの作成、インターネット、、プレゼンテーション(パワーポイント)であり、力を入れている項目は、ワープロソフト、表計算ソフト、プレゼンテーションである。その意図は、生徒がコンピュータを利用し、役に立ったなと思うようにすることがねらいである。普通部がコンピュータを取り入れた15年前は、プログラミング教育(FORTRAN)を目的としていた。現在は、プログラミングに時間を費やしていないが、その理由は基本ソフトに重点が置かれ時間がないだけで、プログラミングは思考力にプラスになるものと考えているため、積極的に取り入れたいとのことである。
情報検索教育に関しては、Yahoo!Kidsを用いたインターネット検索を取り扱っているが、その目的は利用できるようにする事で、サーチエンジンを見せるのみの1時間分である。その1時間分の中で、検索手順、サーチエンジンの種類、メニュー検索、キーワード検索、AND件検索を教えている。まだ、調べ学習的に使えるような指導はしていない。また、平成7年度に、慶應義塾大学日吉図書館にて、図書検索の実習を行ったが、設備の問題でその年限りであった。
普通部の場合、コンピュータの環境も整い、中学校1年生から始めているなど、積極的にコンピュータ教育を進めていく方向にはあるが、その目標は、コンピュータや基本ソフトの使い方を知ることであり、
どうやって使うかに重点が置かれ、それをどう活用するかという段階には至っていない。また、コンピュータ専任教師がいないこともあり、毎年度のコンピュータ授業が、教員や他教科に左右されやすい。これは、全体的な目標が曖昧であるために起こってしまうとも言える。
b 慶應義塾中等部
中等部は、1クラス48人、1学年5クラスの男女共学である。普通教室とは別棟にコンピュータ教室が2部屋設けられ、1つは48台、もう1つは16台のコンピュータが設置されているが、インターネットに接続されているのは16台の教室のみである。つまり、コンピュータは1人1台設置されているものの、インターネットが接続されているコンピュータは、3人に1台の割合である。
コンピュータの授業は、大分すると2種類である。1つは、数学の授業内で行われるプログラミング(LOGO)、もう1つは技術・家庭の授業内で行われるコンピュータの授業である。前者は、中学1年生を対象に、合計5時間程度で、集中的にプログラミングを教え、後者は、中学2年生を対象に週2時間ある技術の授業のうち1時間をコンピュータの授業に当てている。但し、中等部の技術・家庭は男子が技術、女子が家庭科と、別々で行なわれているため、技術として設けられているコンピュータの授業は、男子のみである。この学年でコンピュータを教えるのは、両者とも授業時間に余裕があるなど、カリキュラム上の理由からである。技術内でのコンピュータの授業は、本年度から中等部側の要請により始まったものである。
コンピュータ指導の出来る教師は、4人であるが、普通部同様コンピュータの専任はいない。しかも4人とは、プログラミングが教えられる教員の人数であり、「情報基礎」的な内容を指導できる先生は、中等部の場合ほとんどいない。技術でのコンピュータ教育は、講師の先生によるものである。
コンピュータの授業内容は、数学では基本操作、プログラミング、技術ではコンピュータの仕組み、コンピュータの歴史、ワープロソフト、ホームページの作成、インターネットであり、力を入れているのはホームページの作成とインターネットである。これは、インターネットは情報の発信から検索まででき、情報活用能力育成には重要と考えているためである。
情報検索教育に関しては、、検索の概念を理解させるため、Yahoo!Japan及びgooを利用した検索の授業も行なっている。インターネットに関してはホームページの作成も含め20時間程時間を費やし、検索手順、サーチエンジンの種類、メニュー検索、キーワード検索、AND検索、前方一致検索を教えている。今後、レポートの資料集めなど、コンピュータの道具としての役割を強調させてゆく方針である。
中等部の場合、プログラミング以外のコンピュータ指導が出来る教員が極端に少ない点が、第1の問題である。本格的なコンピュータ教育が始まったのも本年度からであり、まだまだ手探り状態の部分が多く見られ、それを講師の先生1人で補っている。第2に、技術家庭の授業がいまだに男女別なため、男子は家庭を、女子は技術を行なっていない。つまり、技術の授業がない女子は、コンピュータの授業を受けていないのである。また授業内容を見てみると、情報活用能力育成のため、情報収集、情報発信が重要であると目標は定まっているが、情報検索の中で検索結果の評価をする段階までには至っていない。
c 慶應義塾湘南藤沢中等部
湘南藤沢中等部は、1クラス40人、1学年4クラスの中学高校6年一貫共学校である。1992年4月に、「語学教育」と「情報教育」を柱に開校された。「情報教育」に力を注いでいるだけあり、コンピュータは100台以上設けられ、インターネットとイントラネットが結ばれている。インターネット上では最小限の情報しか公開していないが、環境はよく整備され、放課後にはAVC室を解放するめ、生徒は制限なく自由にその環境を利用できる。図書室にも検索用コンピュータが4台設置されている。
コンピュータの授業は、週に1時間、中学1年では技術家庭の中で、中学2、3年では選択科目の中で、「情報」という独立した形の授業が行なわれる。湘南中等部の場合、中学1年から「情報」の授業を行なうのは当然とされている。中学1年での目標は、コンピュータ言語としてLOGOを用いることと、文書作成機能、図形処理機能、情報処理機能、情報蓄積検索機能、機械制御機能について知ること。中学2、3年では、世界各地とコンピュータによるコミュニケーションを持ち、国際感覚を豊かに身につけたり、表現能力を開発育成することを目標に、情報発信・受信能力を養うもの、と位置づけられている。
コンピュータ指導が可能な教師は、講師も含め9人であるが、他校との違いは、「情報」の専任教師がいる点である。1人ではあるが、「情報」の先生が中心となり、他の先生との協力のもと、「情報」の授業は常にティーム・ティーチングで行なわれるのが特徴である。
授業内容は、コンピュータの仕組み、コンピュータの歴史、ワープロソフト、図形処理ソフト、表計算ソフト、プログラミング、ホームページの作成、インターネット、データベース、図書検索と、調査用紙の項目を全て行なっている。
情報検索教育に関しては、情報を的確に収集する能力を養うことを目的に、インターネット検索では、サーチエンジンの種類、メニュー検索、キーワード検索、AND検索、OR検索、検索結果の評価を取り上げている。データベースは、授業内では特に教えてはいないが、授業の補助ツールとして先生が作ったデータベースを生徒が参考にする、といった形で関わりを持たせている。図書検索は、ガイダンスの時間に取り上げ、コスモスを使った実習を行なう。
F 考察
1 教科書分析
技術・家庭の文部省検定済教科書では、「情報基礎」にさかれている箇所は全体の1/5以下と、少ない。その内容は、教科書によって特徴はあるが、ワープロソフトや図形処理ソフトなど、各ソフトウェアの使用法を中心に、特にプログラミングの作成に力を注ぎ、情報を活用する為の前段階である、情報の処理・整理に重点が置かれている。その証拠に、「情報の判断、選択」「情報の整理、処理」「情報の創造、伝達」の3項目で分析した結果、3つのバランスは非常に悪く、特に「情報の判断、選択」「情報の創造、伝達」に関する内容は、極端に少なかった。
2 ホームページ分析
教科書分析によると、現在の教科書には、「情報の創造・伝達」に関する内容はほとんどなかった。しかし、ホームページ分析から、HTMLの作成を行っている学校は60.0%と、比較的行なわれている。つまり、「情報の創造・伝達」について、教科書には記載されていないが、実際の教育現場では扱っている、と言える。また、調査項目には加えなかったが、多くの学校では、生徒の作品を公開する形での情報発信も行っている。
一方、教科書分析において内容が少なかった「情報の判断、選択」は、ホームページ分析からも、「インターネット」「データベース」「図書検索」と、低い数値を示し、現状では情報検索教育を行っている中学校は少ないと言える。
今回の分析調査では、HTMLの作成と図形処理ソフトを行なっている学校が多かったが、これはホームページの制作と関連があるため、ホームページ上に掲載されている場合が多く、高数値となって表れたと考える。
全体的に挙げられるのは、現在の「情報基礎」の授業は、それぞれの学校の方針により進められている、ということである。ワープロを教える学校もあれば、インターネット検索を教える学校もある、といった具合に、「情報基礎」という同じ領域ではあるが、各学校がそれぞれのことを行い、その内容は統一されていない。
その結果、コンピュータ教育の進んでいる学校と、何をしてよいか分からない学校とで、格差が生じている。これは、100校プロジェクトに参加しているような、コンピュータ教育に関心のある学校の中でさえ、見られることである。
3 電子メール調査
「情報基礎」を始めた時期は、平成3年がもっとも多く、以後平成6年までに始めた学校が多かったが、これは、平成元年に改訂された学習指導要領の規定に準じているためと考えられる。しかし、指導学年は規定に準じる場合中学3年であるが、もっとも多かったのは中学1年であった。学校側も、コンピュータ教育を行なおうと積極的な姿勢が見られる。
ホームページ分析では、教えているソフトの種類にばらつきが見られたが、電子メール調査ではほとんどの学校は、ワープロソフト、インターネット、図形処理ソフトを行なっている。表計算ソフト、プログラム言語、ホームページの作成も77.7%行なっている。
情報検索教育については、インターネット検索、データベース、図書検索の順で重視されている。インターネットには力を入れているという学校も多かったが、検索手順、キーワード検索、ディレクトリ検索、AND検索を教えることが現在のインターネット検索であり、応用的な検索手法、検索結果の評価まで至っていない。データベースの場合も同様である。図書検索を、「情報基礎」で取り上げる学校は極めて少なかった。その理由として、図書検索を教える時間数が足りない、図書データベースの作成に手間がかかる等が挙げられた。しかし、インターネットから図書検索が可能な図書館にアクセスし教材として使用するなど、解決法はある。つまり、多くの学校では、図書検索をそれ程重視していないと言える。
全体として言えることは、それぞれの
目標はそれなりに考えられているが、内容が伴っていないため、目標が達成できていないケースが多い。もしくは、目標自体が曖昧な学校、利用できるようになることが目標の学校もある。強調すべきは、コンピュータを利用できるようになることが目標ではない。目標を明確にもち、そのためには何を授業で行なうことが大切か、を考えてゆくべきである。
4 インタビュー調査
ホームページ調査を行なった際、各学校でのコンピュータ教育には格差が生じていると述べたが、慶應義塾内の中学校においても言えることである。その明らかな違いは、第1にコンピュータ教育の目標、目的の問題である。湘南藤沢中等部の場合、明確な目標が設定され、その目標を達成するための授業が行なわれている。スキル向上のためのコンピュータ教育ではないことが念頭に置かれている。それに対し、普通部中等部は目標は設定されているものの、目標と授業内容と別の土壌で考えられ、完全に結びついていない。そのため、設定した目標が曖昧になり、ソフトウェアの利用法という段階で終わっている傾向にある。
第2に、コンピュータ教育の専任教師の問題である。普通部、中等部はコンピュータの専任がいないため、コンピュータの授業は他の教科に左右されやすく、教師の研究する時間が持てない等、コンピュータ授業を第一に考えることができない。それに比べ、湘南藤沢中等部はコンピュータの専任が1人と決して多くはないものの、各学年ともにコンピュータの授業を第一に考えることが出来る。
「情報教育」を1つの柱としている湘南藤沢は、設備面、授業面ともに理想的なコンピュータ教育及び情報検索教育をおこなっている。
G 情報検索教育の問題点
第一に、現在の教科書は、ソフトの利用法といった情報の整理や処理が中心に書かれていて、情報検索に関する内容が極端に少ない。そのため、具体性に欠け漠然としたものになっている。第二に、情報検索教育に相当するインターネット検索、データベース、図書検索の中で、授業で取り上げられるのは、インターネットが中心で、データベースについては教える中学校もあるが、図書検索となるとほとんど教えていない。第三に、情報検索教育の中心となっているインターネット検索でさえ、指導内容は、検索手順、ディレクトリ検索、キーワード検索、AND検索程度であり、検索結果の評価を行なう段階まで至っておらず、不完全である。第四に、情報検索を教える目標や目的の曖昧さである。目標が曖昧なため、授業で利用方法しか教えないという現状が起こる。
A テキスト作成の目的
第U章では、4つの調査により情報検索教育の現状と問題を明らかにした。これら情報検索教育の問題は、情報検索教育に適切なテキストがないことが、1つの原因となっている。そこで、今回の調査結果を参考に、中学生向けの情報検索用テキストを作成し、今後、中学校で効果的な情報検索教育が為されることに期待する。
B テキストの内容
テキストの内容は3つの視点から考える。@大学における情報検索教育の内容から考えるAカリキュラムから考えるBコンピュータ教育の現状から考える、の3点である。
1 大学における情報検索教育の内容から考える
大学の情報検索教育の内容を参考に、そのためには中学段階で何を教えるべきか検討する。大学レベルの情報検索教育については『情報検索演習』12)を参考とした。
『情報検索演習』では、第7表に示すとおり、検索システム(CD-ROM、オンライン検索、インターネット検索)の基本的機能として応用的な検索手法を取り上げているが、中学段階では、それらのベースとなる基礎的な部分が必要であると考え、各検索システムで共通している論理演算、部分一致検索の検索手法を取り上げる。
第7表 『情報検索演習』の内容
CD−ROM検索 |
オンライン検索 |
インターネット検索 |
|||||
J−BISC |
SPIRS |
NACSIS−IR |
JOIS |
DIALOG |
YAHOO!Japan |
INDEX |
|
ファイルの選択 |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
||
検索式の入力 |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
フィールドの指定 |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
||
論理 |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
近接 |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
|
比較 |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
||
部分一致検索 |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
検索集合指定 |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
||
二次 |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
||
語の |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
||
検索式の一覧 |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
||
検索式の保存 |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
||
画面 |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
餅憬声br> 出力 |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
||
折掛 |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
||
絞り込み検索 |
○ |
||||||
システムの終了 |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
接続の解除 |
○ |
○ |
○ |
○ |
|||
2 カリキュラムから考える
中学校では、技術・家庭科の技術領域において、コンピュータの基本的な構成と操作、コンピュータの利用など情報に関する基礎的内容を必修とし、発展的内容は、生徒の興味・関心等に応じて選択的に履修させることとしている。
平成10年12月14日に、新学習指導要領が発表された。新学習指導要領は、小・中学校については平成12年度からの移行措置を経て、平成14年度から全面実施することとしている。目標及び内容は、以下の通りである。
目標
実践的・体験的な学習活動を通して、ものづくりやエネルギー利用及びコンピュータ活用等に関する基礎的な知識と技術を習得するとともに、技術が果たす役割について理解を深め、それらを適切に活用する能力と態度を育てる。
内容 B 情報とコンピュータ
(1)生活や産業の中で情報手段の果たしている役割について、次の事項を指導する。
ア 情報手段の特徴や生活とコンピュータとのかかわりについて知ること。
イ 情報化が社会や生活に及ぼす影響を知り、情報モラルの必要性について考えること。(2)コンピュータの基本的な構成と機能及び操作について、次の事項を指導する。
ア コンピュータの基本的な構成と機能を知り、操作ができること。
イ ソフトウェアの機能を知ること
(3)コンピュータの利用について、次の事項を指導する。
ア コンピュータの利用形態を知ること。
イ ソフトウェアを用いて、基本的な情報の処理ができること。(4)情報通信ネットワークについて、次の事項を指導する。
ア 情報の伝達方法の特徴と利用方法を知ること。
イ 情報を収集、判断、処理、発信ができること。(5)コンピュータを利用したマルチメディアの活用について、次の事項を指導する。
ア マルチメディアの特徴と利用方法を知ること。
イ ソフトウェアを選択して、表現や発信ができること。(6)プログラムと計測・制御について、次の事項を指導する。
ア プログラムの機能を知り、簡単なプログラムの作成ができること。
イ コンピュータを用いて、簡単な計測・制御ができること。10)
3 コンピュータ教育の現状から考える
a 教科書の問題点から考える
電子メール調査において、教科書を使用しない理由と教科書で不足している点を回答してもらったところ、様々な意見が指摘された。
(1)漠然としすぎていて、中途半端。具体的説明に欠ける。
(2)教科書は概念が中心で、実習には役に立たない
(3)インターネット関係の内容が不足
(4)学習課題の具体性に欠ける
(5)情報活用の必然性に欠ける
(6)意欲的に取り組める教科書
(7)道具として使える事を強調すべき
(8)情報基礎の分野だけでなく、その領域を飛び越えて使えるような内容
以上の意見を参考に、テキストは実習に役立つような、具体的説明を中心とする。単元ごとに学習課題を設け、頭の理解だけでなく、体験的な学習によって理解させ、道具としてコンピュータが使える事を感じ取らせる。また、無理に情報活用にこじつけるのではなく、自然な流れで情報活用ができるよう、身近な題材から情報を活用させ、意欲が増すように心がける。さらに、授業の領域を超えて応用できるような(例えば、授業で習っていないCD-ROMも、授業で学習した事を基礎に使える等)内容にする。
b 情報検索教育の問題点から考える
情報検索教育の現状を踏まえ、多くの中学校で行われているが、教科書の記載が少ないインターネット検索と、ほとんどの中学校で行われていない図書検索についてを対象とする。図書検索は、所蔵内容を考え、横浜市立図書館の蔵書検索システム13)を例とする。具体的な内容としては、既に指導されている、検索手順、ディレクトリ検索、キーワード検索、AND検索に加え、OR検索、NOT検索の検索手法、及び検索結果の評価まで行う。
C テキストの作成
以上をもとにテキストを作成した。14)15)16)テキストは 付録に添付したが、その目次を第8表に示す。
第8表 情報検索テキストの目次
目次 |
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インターネット検索(サーチエンジン) |
サーチエンジンって何? ケーススタディー |
図書検索 |
図書館で本を探すのってどうやるの? |
A テキストの必要性
情報活用能力を育成するためのコンピュータ教育の一環として、情報検索が有効であり、今後、情報検索教育を効果的に指導してゆくための第一の課題は、適切な、情報検索用テキストの作成である。
教育現場では、「実習にテキストは不向きであり、必要ない」との意見もあったが、調査結果によると、自作プリントを作成する中学校がほとんどであった。つまり、多くの中学校では、適切なテキストがないために、テキストの代行として自分でプリントを作成するのが現状である。その際、情報検索教育のガイドラインすらないことも加わって、何を指導すれば良いか明確に分からず、その結果、効果的な情報検索教育が為されない。もし教育目標に合致した、適切なテキストがあれば、テキストは使用され、情報検索教育の目標達成に近づくはずである。
また、現在の教科書は、「紙のメディアだけに、最新の技術、情報の流れについてゆけない」「年次更新されないと、使いにくい」点が問題の一つとされている。確かに、1989年の学習指導要領改訂に合わせられた内容は、今日では古い。最近では、オンライン上でのテキストも表れ始めていることからも、紙メディアから形態を変えた教科書が、使われるようになるかもしれない。
B 教育目標の明確化
第二の課題は、情報検索の教育目標、もしくは教育目的を明確に設定し、指導の際には、その目標や目的を意識することである。この課題は、同時に、情報検索教育の目標の上に立つ、「情報基礎」の目標を明確化することも意味している。
今まで見てきたように、現在のコンピュータ教育は、教育目標と授業内容がそれぞれの次元で考えられており、そのつながりは薄く、教育目標を遂行するための教育が行われているようには思えない。そのために、現行の「情報基礎」の授業では、ソフトウェアの利用法、といった使い方の段階で終わってしまう傾向にある。情報機器に触れ、その使い方を知り、慣れ親しむことで、「情報活用能力」の育成がどこまで達成されるのかは、まだ不明確な点であるが、いずれにしても、指導者がどの程度「情報活用能力」の育成を意識して指導しているかによって、その効果は非常に左右される。
すなわち、まず「情報基礎」の目標及び目的を明確にし、そのためには授業で何をすべきか、何を扱うべきか、トップ階層から順に考える必要がある。そうすれば必然的に、教育目標と授業内容とが結びつき、効果的な「情報活用能力」の育成が行われるであろう。
C コンピュータ教育専任の育成
文部省は平成10年3月に「学校における情報教育の実態等に関する調査」(平成9年度)の中で、教員に関する調査を行なっている。第9表に示すとおり、中学校において、コンピュータを操作できる教員の割合は51.8%、コンピュータで指導できる教員の割合は23.2%となっている。平成8年度は、前者が50.9%、後者が22.7%とあるため、若干上向きにはある。また、電子メール調査によると、各学校の「情報基礎」教員数は1人が一般的であった。
しかし、コンピュータ操作ができる教員数やコンピュータで指導できる教員数を増やすことよりも、コンピュータ教育専門の教員数を増やすことの方が重要であると考える。インタビュー調査では、コンピュータ教育の専任がいる湘南藤沢中等部と、兼任している普通部、中等部とのコンピュータ教育の差は表面化していた。専任が持てないと、コンピュータ教育が他のカリキュラムや教師に左右されやすい、優先的に考えることができないなど、やむお得ない問題が必然的に生じる。その結果、必修科目でないこともあり、他教科に比べ後回しに考えられやすい。また、専門外の教師が教える場合、教えなければならない内容に気づかず、その教師の得意な分野に偏ってしまう可能性も考えられる。
情報検索教育の第三の課題として、今後は、各学校に少なくとも1人のコンピュータ教育専門の教師を設けることが望まれる。
第九表 教員に関する調査結果
教員数 (A) |
コンピュータを操作できる教員数(B) |
割合 B/A |
コンピュータで指導できる教員数(C) |
割合 C/A |
||
小学校 |
人 408,908 406,058 |
人 160,137 170,401 |
% 39.2 42.0 |
人 68,141 87,917 |
% 16.7 21.7 |
|
中学校 |
250,076 249,161 |
127,297 129,114 |
58.7 62.2 |
50,059 51,048 |
23.8 24.4 |
|
高等学校 |
210,548 208,875 |
123,561 129,986 |
58.7 62.2 |
50,059 51,048 |
23.8 24.4 |
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特殊教育諸学校 |
盲学校 |
3,332 3,355 |
2,057 2,115 |
61.7 63.0 |
804 862 |
24.1 25.7 |
聾学校 |
4,529 4,726 |
2,021 2,227 |
44.6 47.1 |
884 958 |
19.5 20.3 |
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養護学校 |
41,271 43,307 |
12,474 14,847 |
30.2 34.3 |
4,189 5,225 |
10.1 12.1 |
|
小計 |
49,132 51,388 |
16,552 19,189 |
33.7 37.3 |
5,877 7,045 |
12.0 13.7 |
|
合計 |
918,664 915,482 |
427,547 448,690 |
46.5 49.0 |
180,895 203,744 |
19.7 22.3 |
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D 環境の整備
第10表に示すとおり、平成9年度の「学校における情報教育の実態等に関する調査」によると、中学校におけるコンピュータ設置立は99.8%、コンピュータの平均設置台数は28.1台である。平成8年度は、前者が同パーセント、後者が25.3%と、3.2台増加している。コンピュータの平均設置台数28.1台という結果については、学校の規模、生徒数などに地域差があるため、この数字だけの判断はできないが、高等学校の71.1台に比べると少ないと言える。
電子メール調査によると、コンピュータを1人につき1台の割合で設置している中学校は38.8%、2人につき1台の割合は55.5%、3人につき1台の割合は5.5%であった。コンピュータが1人につき1台の割合で設置されてない中学校では、クラスを分割して授業を行ない、1人1台でコンピュータが使える環境の配慮もしている。しかし、課題を与えるとコンピュータの奪い合いになるなど、やはり1人1台が理想的な環境である。特に実習の授業は、コンピュータを共有するより、1人で自主的に行なう方が生徒の身につく。教育効果を上げる意味でも、1人につき1台を目安に、コンピュータ教育の環境を推進していくべきである。
また、整った環境も制限がつけられていては有効活用できない。授業の場合、体験的な実習をさせても、やはりそれは受け身の部分が強い上に、平均的な履修時間数が25単位程度であるため、ほとんどの時間が機器の操作やソフトウェアの利用の指導に充てられてしまうのが現状である。授業外の自由な時間を利用して、生徒が自主的にコンピュータと接し、情報の利用価値や基本操作に慣れることも、大切である。放課後のコンピュータの解放にあたっては、活用していない学校も見られるが、直面する問題を解決しながら、自由に利用できる環境を整えていくことが、第四の課題である。
第10表 コンピュータの設置状況
学校数 (A) |
コンピュータを設置する学校数(B) |
設置率 B/A |
コンピュータの設置台数 (C) |
平均設置台数 C/B |
||
小学校 |
校 23,932 23,811 |
校 21,701 22,634 |
% 90.7 95.1 |
台 184,860 236,408 |
台/校 8.5 10.4 |
|
中学校 |
10,485 10,475 |
10,465 10,455 |
99.8 99.8 |
264,959 293,302 |
25.3 28.1 |
|
高等学校 |
4,164 4,162 |
4,163 4,162 |
100.0 100.0 |
277,054 295,928 |
66.6 71.1 |
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特殊教育諸学校 |
盲学校 |
68 68 |
68 68 |
100.0 100.0 |
1,289 1,423 |
19.0 20.9 |
聾学校 |
103 103 |
103 104 |
100.0 99.0 |
1,655 1,804 |
16.1 17.3 |
|
養護学校 |
738 745 |
726 733 |
98.4 98.4 |
6,031 7,124 |
8.3 9.7 |
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小計 |
909 918 |
897 905 |
98.7 98.6 |
8,975 10,351 |
10.0 11.4 |
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合計 |
39,490 39,366 |
37,226 38,156 |
94.3 96.9 |
735,848 835,989 |
19.8 21.9 |
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各欄の上段の数値は、前年度の数値を表す。
平成9年度「学校における情報教育の実態等に関する調査結果」より(文部省)
本論文では、「情報活用能力」育成のために情報検索教育が有効であると据えたが、情報検索教育を通じて養われた情報収集能力、判断能力は、情報の表現、処理、発信、伝達のそれぞれの能力につながり、さらにそれらの能力が、情報収集にフィードバックされる様な情報活用が望まれる。また、「情報基礎」で培った情報活用能力は、その枠を飛び越え、あらゆる機会に展開され、学校教育全体で総合的に活用、及び育成されることが理想である。
最後に、今後の学校教育において、適切な情報検索教育が行なわれることを期待する。
<インターネット検索テキスト>
サーチエンジンって何?
インターネット上には、図書館のホームページもあれば、野球のホームページもあります。それぞれのホームページには、「住所」(「アドレス」)が付いています。あなたの家に、住所が付いているのと同じことです。友達の家に行く時、あらかじめ住所が分かっていれば、その住所を頼りに友達の家まで行くことが出来ますね。でも、住所が分かっていなかったら・・・きっとあなたは、住所録を使って住所を調べるでしょう。
これはインターネットでも同じです。ホームページの「住所」が分かっていれば、目的のホームページを見ることは出来ます。でも、逆に、見たいホームページはあるのに、その「住所」が分からないと、目的のホームページを見ることは出来ません。そんな時に使うのが、「サーチエンジン」です。サーチエンジンは、あなたの見たいホームページを検索してくれるシステムです。
検索方法の種類
サーチエンジンを使って、目的のホームページを見つける方法は、2種類あります。
@クリック検索
Aキーワード検索
クリック検索ってどういうの?
画面上で分類されているテーマを、「クリック」(マウスのボタンを押すこと)しながらたどってゆき、目的のホームページを見つける方法です。
(例:Yahoo!Japan)
ある特定のテーマの中から検索したい場合に便利!
キーワード検索ってどういうの?
自分が見たいホームページの内容を、「言葉」(「キーワード」)にして、サーチエンジンに入力し、検索する方法です。サーチエンジンは、あなたによって入力されたキーワードをたよりに、沢山のホームページの中から、該当すると思われるホームページを探してきてくれます。
(例:goo)
検索のターゲットがはっきりしている場合に便利!
Challenge!
あなたと同姓同名の人のホームページはあるかな?
ここで、一つ注意しなければならないことがあります。
サーチエンジンが検索してくれるのは、あなたによって入力されたキーワードと、同じ言葉が含んでいる全てのホームページです。つまり、「川崎さんという人のホームページ」が見たくて、「川崎」というキーワードで検索しても、検索結果には場所の「川崎」について書かれたホームページも、人名の「川崎」について書かれたホームページも、同じ検索結果として表示されてしまうのです。
では、場所の「川崎」が検索結果に表示されないような、何かもっと良い検索方法はないのでしょうか?
このように、1つのキーワードで、自分の知りたい質問をうまく表現できるとは限りません。そんな時は、いくつかのキーワードを使って、検索することも可能です。
複数のキーワードを使って検索する方法
@OR検索
AAND検索
BNOT検索
では、OR検索からみていきましょう!
OR検索って何?
OR検索とは、「Aというキーワード、『または』Bというキーワードを含んだページを探す」という意味です。
OR検索の検索結果は、
・Aのキーワードを含んだページ
・Bのキーワードを含んだページ
・AとBの両方のキーワードを含んだページ
が、画面に出力されます。
どんな時に便利なの?
「1つのキーワードで検索を行ったけれど、その結果が少なすぎる」という場合に便利です。検索結果が少なすぎた場合、複数のキーワードでOR検索を行なえば、検索結果を増やすことに成功するはずです。
Challenge!
香港についてのページを探しています。一緒に探してください。あなたならどんなキーワードを使いますか?
ここで1つ注意しなければなりません。
「香港」には、漢字で書く以外に、「ホンコン」「Hong Kong」などの表記の方法があります。ですから、「香港」のキーワードだけで検索してしまうと、「ホンコン」「Hong Kong」で書かれているホームページは検索結果からもれてしまいます。
・1つの意味の言葉に複数の表しかたがある時
(ex)「香港」「ホンコン」「Hong Kong」
・同義語
(ex)「長命」「長寿」「長生き」
これらの場合、1語だけで検索を済ませてしまうと、検索されたホームページ以外にも内容的に当てはまるホームページはありますが、検索されないということになってしまいます。
AND検索って何?
AND検索とは、「Aというキーワード、『かつ』Bというキーワードを含んだページを探す」という意味です。
AND検索の検索結果は、
・AとBの両方のキーワードを含んだページ
が、画面に出力されます。
どんな時に便利なの?
「1つのキーワードで検索を行ったけれど、検索結果が多すぎる」という場合に便利です。検索結果が多すぎた場合、キーワードを追加してAND検索を行なうことで、検索結果を減らすことができます。
サーチエンジンでは検索結果が膨大になりがちです。そのため、AND検索はとてもよく使われます。でも、初めからたくさんのキーワードを使ってAND検索をしてしまうと、検索結果を少なくしすぎてしまい、必要なページを見落としてしまう可能性もあります。ですから、初めは2語くらいで検索し、結果を見ながら徐々にキーワードを増やしていくのがお勧めです。
NOT検索って何?
NOT検索とは、「Aというキーワードを含まないページを探す」という意味です。
どんな時に便利なの?
NOT検索は、OR検索やAND検索に比べると使用する場面はあまり多くありませんが、「どうしても検索結果に関係のないページが含まれてしまうと」いう場合には、NOT検索で邪魔なページを取り除けないか考えてみるとよいでしょう。
検索結果の評価
あなたの指示どおり、サーチエンジンは沢山のホームページの中から検索してきてくれました。でも、検索はこれで終わりではありません。検索結果をチェックすることが必要です。なぜなら、全ての検索結果があなたにとって必要なものとは限らないからです。
まず、検索結果を見ることが大切です。目的のホームページはありましたか?「全然ほしいホームページが見つからないなー」「うーん、ちょっと不必要なものが多いなー」。目的のホームページを見つけるには、ここで諦めてはいけません。ちょっと改善が必要です。
例えば・・・
「なんだか検索結果が少なすぎる」→OR検索を使ってみたらどうですか?
「なんだか検索結果が多すぎる」→AND検索を使ってみたらどうですか?
「なんだか目的のホームページとちょっと内容の違うホームページが検索されてる」→キーワードを変えてみたらどうですか?
目的のホームページを探すには、やりなおしが必要です。
クリック検索やキーワード検索をして、目的のホームページを見つけられましたか?これであなたも、すっかりサーチエンジンのプロになりました!
ケーススタディ@
『Yahoo!Japan』 http://www.yahoo.co.jp
(ディレクトリ検索とキーワード検索が可能ですが、ここではディレクトリ検索を取り上げます)
STEP1 クリック検索
トップ・ページの中央に並んでいる14のテーマ(「芸術と人文」「ビジネスと経済」など)のどれかをクリックすると、次の段階のサブテーマのページに移動します。このサブテーマのうち、自分の目的に最も近い1つを選んでクリックすると、さらにその下のサブテーマヘ・・・とテーマのレベルを降りながら、検索を進めることが出来ます。
逆に、階層をいくつか上に戻って検索しなおすことも可能です。
Challenge!
「エンターテイメント」のカテゴリから、「音楽」のサブカテゴリページへいってみましょう。
さらに、「ジャンル」のサブカテゴリページに飛んでみましょう。
あなたの好きな音楽のジャンル、見つけることができましたか?
ケーススタディA
『goo』 http://www.goo.ne.jp/
STEP1 キーワード検索
何を探したいのか、キーワードをトップページの検索欄に入力します。その隣の検索開始ボタンをクリックすれば、検索されます。キーワードを含む全てのホームページが選ばれ、検索結果リストに表示されます。
STEP2 AND検索
キーワード入力欄の下に「検索設定」欄がありますね。gooでAND検索を行なうには検索設定を「すべての語を含む」と設定し、キーワードを入力して、検索開始ボタンを押します。
Challenge!
「チョコレートケーキ」を作ることにしました。レシピが欲しいのですが・・インターネット上にあるかな?
STEP3 OR検索
gooでOR検索を行なうには検索設定を「いずれかの語を含む」と設定し、キーワードを入力して、検索開始ボタンを押します。
Challenge!
AND検索で使ったキーワードで、OR検索をしてみると・・・違いが分かりますか?
STEP4 人名
英語の人名をキーワードにする場合は名字と名前の順序が問題になります。検索設定で「人名」を選択しておくと、自動的に適切な検索を行なってくれます。
STEP5 gooの検索結果
gooの検索結果を見てみましょう。検索結果の1つ1つにパーセンテージが付いています。このパーセンテージは、そのホームページにキーワードが多く含まれているほど高くなる、キーワードがタイトルに含まれていると高くなる、などのルールから決定されていますが、検索結果はパーセンテージが高い順にならべてあります。
<図書検索テキスト>
図書館で本を探すのってどうやるの?
図書館で読みたい本を探すのは、本屋さんでの探しかたと違います。図書館には沢山の本が蔵書されていますから、1冊1冊見てゆくのはとっても大変です。利用者が読みたい本を少しでも早く、少しでも便利に探せるように、コンピュータが手伝ってくれます。あなたも読みたい本を早く探せるように、コンピュータに手伝ってもらいましょう。
検索方法
図書館の蔵書検索システム(コンピュータ)では、次の項目から目的の本を探すことができます。
@書名(タイトル)からの検索 本の題名から検索してくれます。
A著者名からの検索 本を書いた人の名前から検索してくれます。
B出版社からの検索
C個人件名からの検索 伝記・評伝などの人物の本を検索してくれます。
D出版年からの検索
E資料区分からの検索
図書館で扱う対象は、図書(本)の他にも、雑誌や新聞、AV資料もあります。目的のものは何か、ここで選びます。
ちょっとすすんだ検索方法
STEP1 書名の始めが同じ時に便利な操作
クレヨン王国シリーズを探しています。この図書館にはクレヨン王国シリーズの中で何を所蔵しているのかな?
クレヨン王国シリーズは『クレヨン王国の12が月のおくりもの』『クレヨン王国月のたまご』と書名の前部分が同じです。この様な本の場合、書名入力欄に
クレヨン王国
と入力し、右隣のボックスを
で始まる
に指定して検索すると、『クレヨン王国・・・』で始まる図書を探してくれます。
(ボックスの中は「で始まる」と書いてありますが、「〜で始まる言葉を含む書名/著者名」という意味になります。)
STEP2 目的の書名がハッキリしている時に便利な操作
『クレヨン王国月のたまご』を探しています。この図書館には所蔵してるかな?
目的の書名があらかじめ分かっている場合は、書名入力欄に
クレヨン王国月のたまご
と入力し、右隣のボックスを
と一致する
に指定して検索すると、『クレヨン王国月のたまご』だけを探してくれます。必要もないのに同じシリーズの他の本まで検索してしまうと、検索時間もかかるし、結果を探すのも大変ですよね。
STEP3 AND検索
AND検索とは「Aというキーワード『かつ』Bというキーワードを含んだものを探す」という意味です。AND検索は書名と著者の検索に使えます。
書名でAND検索を行なうときは、2つの入力欄にそれぞれ言葉を入力して、左隣のボックスを
AND
に指定して検索します。
著者の場合も同様です。
Challenge!
角川文庫の『風の又三郎』を探しています?この図書館には所蔵されてますか?一緒に探してください。
STEP4 OR検索
OR検索とは「Aというキーワード、『または』Bというキーワードを含んだものを探す」という意味です。OR検索は、書名と著者の検索に使えます。
書名でOR検索を行なうときは、2つの入力欄にそれぞれ言葉を入力して、左隣のボックスを
OR
に指定して検索します。
著者の場合も同様です。
検索結果
検索結果は、検索を行なうと「検索結果一覧画面」に表示されます。
目的の本はこの図書館に所蔵されていましたか?目的の本が結果に表示されていたら、書名をクリックすれば、本の詳細を見ることができます。本にはそれぞれ番号がふられていますので、その番号を頼りに目的の本のところまで行きましょう。
もしそれが目的の本でなかったら・・・もう一度違う方法で検索してみる必要があります。「検索条件修正」をクリックすると、先ほどまでの条件を入力した状態の検索画面に戻ります。目的の本を探すには、検索のやり直しが必要です。
図書館には蔵書検索のシステムとしてこの他にも、CD-ROMやデータベースがあります。これらを使って、よりよい本を探してください。
Challenge!
それぞれの蔵書の確認をして請求記号を調べてください。
書名が「学校」で始まる本はありますか?
書名に「学校」を含む本はありますか?
書名に「学校」と「図書館」をともに含む本はありますか?
書名に「図書館」または「情報」を含む本はありますか?
「山本晃一」という著者の本はありますか?
「情報」を含む本はありますか?
このシステムは、横浜市立図書館の蔵書検索システムを対象としています。(http://www2.city.yokohama.jp/YCLIB/owa/serch.inp_cpnd)